Laurent Cokelaere Interview
去る6月4日、都内新宿某所で Richard
Clayderman のバックとして来日中であった
Laurent Cokelaere 氏とお会いして、話を聞くことが出来た。
もちろん最大の話題はこの秋発売予定の Maison Klaus のライブCDのことであったが、
Yochk's Seffer の Neffesh Music でも演奏経験のある彼に、
それも含めて色々聞いてみた。
Q:日本は初めてですか?
A:いや、Richard Clayderman
とは毎年日本に来ている。
今年のツアーは1ヶ月で、プライベートなものも含めると36回のコンサートだ。
いい加減疲れたよ。
Q:早速 Maison Klaus のことですが、リーダーは誰ですか?
A:Klaus Blasquiz だよ。
Q:最近は、オーディオの商売をしていると聞きましたが・・・?
A:そう、それとオーディオ雑誌に記事を書いて暮らしている。
彼はもう自分の楽しみのためだけにしか音楽はやらないんだ。
Q:演奏はどんな場所で?
A:ほとんどが小さなクラブでだ。ライブ録音を行った Cavern Cafe もパリの真ん中にある小さなクラブだよ。
Q:ライブではカヴァー曲もやるんですか?
A:そう、今度のライブアルバムでも11曲中オリジナルは1曲だけで、残りは全部カヴァー曲だ。
Cream とか Brian Auger's Oblivion Express とか・・・。
Q:スタジオ録音の予定はありますか?
A:ぼくらの音楽は、歌と即興の組み合わせだが、即興パートの、毎回どこへ行くか分からないスリリングさが魅力の一つだと考えている。だからスタジオ録音の予定は今のところ全くない。
Q:メンバー的に見ると Paga Group との重複がありますが、あちらの方との兼ね合いはどういった感じで?
A:Paga Group は、今のところ Bernard Paganotti が忙しすぎて、完全に活動が止まっている。でも解散したわけじゃないよ。
Q:フランス本国での評価はどのようなものですか?
A:クラブで時々演奏するぐらいだから、まだどこのメディアもまともに取り上げてくれてはいない。
でもライブでは観客も喜んでくれているし、和気あいあいとした雰囲気でとても良い感触がある。
Q:ところで、あなたは1980年頃 Yochk'o
Seffer の Neffesh Music に参加していたのではないですか?
これはあなたのことですか?(と言って、Neffesh Music / Ghilgoul CDのボーナストラックのクレジットを指す。)
A:そうだよ。ちょうど20歳の時だ。
Q:参加のきっかけは?
A:前任のベーシスト Dominique Bertram が Magma に誘われて抜けることになったので、僕に電話してきて、代わりにやってくれないか?と頼まれたんだ。
Q:ライブもやっていたんですよね?
A:月に3〜4回位のペースでステージに立っていたよ。
Q:あなたを含めたラインアップでスタジオ録音をしていましたが、このCDに追加された3曲以外も日の目を見る可能性はないでしょうか?
A:他の曲は、全部未完成のまま終わってしまった。結局外に出せるくらい形になったのはこの3曲だけだと思う。
Q:Neffesh Music 再編という話はないのですか?
A:分からないな。Zao は再編してアルバムを作ったけどね。
Q:話を Maison Klaus に戻しますが、来日の可能性は?
A:もちろん日本でもライブをしてみたい。良いプロモーターを知らないか?
本国では、僕らと STS
で同時来日の可能性を話し合っている。でも具体的なことは、これからだよ。
Q:もしそれが実現すれば、Klaus Blasquiz と Jannick Top、ある意味 Magma の方向を決定付けた2人が一緒に日本に来ることになる。
A:うん、1974年頃、僕はまだティーンエイジャーだったけれど、よく
Magma を見に行った。
Jannick Top
は今でも、僕らフランスのベーシストの頂点に立つ凄い人だよ。
まだ最終的なミックスが済んでいないという、今度のCD用の曲を2曲聴かせてもらった。
曲は Oblivion Express と Cream のカヴァーで、Klaus
は貫禄の歌いっぷり。
演奏は当時のロックの熱気を保ったまま、ジャズっぽく洗練させたという感じ。
Pierre Chereze のギターと Eric Seva
のサックスが、大変良い味を出している。
強烈なオリジナリティーを追求するというのではなく、
敬愛する先達の音楽を自分流の解釈で、楽しみながら現代に蘇らせる、
といった内容でした。