Magma 来日公演レポート2001

 

Magma 東京公演5月30,31の両日観てまいりました。

 

On Air West は前回来日時の半分ほどのキャパ会場でしたので、予想通り超満員です。
初日が300超、2日目が400を越えていたでしょうか?
初日は2階席が関係者のみだったのですが、2日目は一部一般にも開放されました。
今回はオール立ち見、2階は座れるということでしたが、音が悪いという話でパス。
結局2日とも最前列かぶりつきで、歌いまくってきました。 

2日目に変な前座がついて,Riah Sahiltaahk のアカペラカヴァーなんかもやったのですが、
観客全員 Magma に照準を合わせてやって来ているし、
立ち見のうえ、帰りの時間を気にする観客(私も含めて)が多い中、
どうしてもミスマッチな感は拭えず、おおむね不評だったようです。
(「最後の曲です」のアナウンスに拍手が出る場面も)
まあ、出演者を責めるのは酷かも知れません。
彼女ら自身もそんなことはよーく分かっていたことでしょう。
世界中のどんなバンドを持ってきても、あの日ばかりは歓迎されなかったでしょうから。
ただ最終日の打ち上げには彼女らも出席して
Magma のメンバーの前でカヴァー曲を披露して(Riah Sahiltaahk かどうかは不明)、
メンバーも微笑んでいた、と聞いて少し救われた気持ちになりました。 

それでも Magma そのものはやはり素晴らしかったです。
今回は特に、会場の波長がピッタリ Magma に収斂して
観客メンバーとも最高の集中、盛り上がりがあったと思います。
(前回来日の時には感じられなかったことです。)

 

set list:
Theusz Hamtaahk
Wurdah Itah

(
10 minutes break)
Mekanik Destruktiw Kommandoh
(encore)
Untitled Ballad

 line up:
Christian Vander -
Zebehn Strain de Geustaah : drums. vocal
Stella Vander -
Tauhd Zaia : vocal, keyboard, percussions
Isabelle Feuillebois -
Enor Zanhka : vocal, percussions
Antoine Paganotti -
Woss Kemkah : vocal, keyboard
Jean-Christophe Gamet -
Maahn Gehehrn' : vocal, percussions
James McGaw -
Staiiss Esslehnt' : guitar, keyboard, vocal
Emmanuel Borghi -
Iusz deh Dzeuhr Emehnett : keyboard
Philippe Bussonnet -
Gehnohr Dugohnn' : bass

 

Theusz Hamtaahk と Wurdah Itah の間はブレイク無しで約1時間半をぶっ続けで演奏。
驚異のスタミナです。
ただ、初日は一曲目の途中で Emmanuel の Fender の音が一音でなくなって、
その場で急遽修理するというトラブルもあり、
その間10分強の休憩となりましたが、
手際の良いプロの技が逆に喝采を受けていました。(大山さんありがとう)

一日目は MDK のベースソロの最後に弦が一本切れるというアクシデントがありましたが、
さすが評価急上昇中の Philippe、
切れた弦をなぎ払うように引きちぎり、
そのまま Mekanik Zain のリフを弾き通してしまいました。

Chirstian があちこちで3連形のリズムを入れてノリを崩すので
初日は他のメンバーも少しとまどっていたようでしたが、
2日目はそれにもピッタリ呼応していたように思います。

Christian のドラミングはやはり2日目の方が手数、ノリとも格段に良かったように思います。
Wurdah Itah では叩きながら自分でも少し歌ったり、コーラスに合いの手のようにかけ声をかけたりしていました。
オーケストラの指揮者のように常に全体の音を聴きながらあれだけ集中したドラムが叩けるなんて驚異です。
2日目の Wurdah Itah の中で、コーラスとベースのリフのリズムがずれてしまったときは
(ちょうどドラムの入らないパートだったので)腕組みをしてやれやれというふうに首を横に振っていました。

Theusz Hamtaahk 3部作に限ればやはり31日の方が良い出来だったと思います。
気合いの入り方が違いました。
Mgama 観戦歴15回の I さんも「今日の演奏がベストだと思う。」と言っていました。 

今回は全員コバイア名で呼ばれていましたが、
2日目のメンバー紹介で、
Isabelle が Tauhd Zaia と紹介すべきところを思いっきり Stella とコールしてしまい、
ステージ、会場とも大爆笑の場面もありました。 

アンコール曲が始まるとそれまでの盛り上がりが嘘のよう、
まるで水を打ったようにピッタリと静かになり、
最後の余韻が消えるまで、息をするのを忘れて聞き入ってしまいました。
これは昨2000年2月のロンドンで初演され、
その後も継続的にアンコールで演奏されてきたタイトル未定の曲で、
(以前 Les Fenetres Ouvrent というタイトルではないか、と書いたことがありますが、
作曲者本人に確認をとりましたところ、まだタイトルが「やって来て」いないそうです。
先の情報はガセネタでしたので、ここにお詫び、訂正いたします。)
地上から天に向かってわきあがってくるような荘厳なヴォーカルを
全員で静かにバッキングする美しいバラード曲です。
後半はマイクをソプラノサックスに見立てた指使い、
声をわざとひっくり返してサックスのブロウを模すなど、
今 Coltrane が生きて演奏していたらこんな風かな、
と思わせる熱演に正直声もでませんでした。

観客は私のようなオールドファンから、
前回の噂を聞きつけてやってきた Magma 初体験の若いファンまで様々でしたが、
Magma サイドも確かな手応えを感じていたようです。

Antoine (実家に里帰り?)を除く全員は6月1日に、無事帰路につきました。
帰り際に Christian が
「3年は長すぎる。バンドのことを考えれば、一年半が良い。」
と語っていたそうですが、
それが現実のものとなるようみんなで祈りましょう。
こうやって2度目の来日も実現したのですから。 

2001年6月3日記す

 

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