created: Dec. 14 2002
last update: Dec. 14 2002

ThinkPad T23でWARP!のページ


私がThinkPad T23 (2647-2RJ, Pen3, 1.0GHzのWin2kモデル) にOS/2 WARP 4 (Convinience Pack 2) をインストールした際の方法です.
私がインストールした後でリリースされたドライバ等を使った理想的と思われる方法 (別ページに書きます) もあるのですが, ここでは私が実際に行った方法を書きます.


インストールに必要なもの

WARPのインストールに必要となるもの一式です.
コンビニパックをインストールするのであれば, これらがなくてもインターネットに接続できる状態まではできるので, その後で入手することにしても大丈夫です.


インストールの下準備

インストール前に

とりあえず, プロダクトリカバリー回復用のフロッピィは作っておきます. プリインストールされていたOSを元に戻す際に必要になる事があるし, 何より緊急起動用のDOSフロッピィとして使えるので重宝します.
作り方は, PC起動時にPF11を押してプロダクトリカバリープログラムを起動すれば, メニューにあります.

パーティションを切り直す

初期状態ではOS/2をインストールする空きパーティションがないので, インストール先とブートマネージャ用にパーティションを切り直します. ただし, ExtendedXパーティション (Windows等で大容量HDD用に使用される論理パーティション) をOS/2では扱えない (特にFDiskは) ようなので, 基本パーティションにインストールするか, 論理パーティションの確保をOS/2で (Extendedパーティションとして) 行わせる方法しかありませんでした (今は最初からExtendedXパーティションへインストールできるはずです) . 私は結局, OS/2で確保した論理パーティションにインストールしてから, その後でExtendedXパーティションに変更しました.

ちなみに, 論理パーティションにインストールされているOS/2を起動する場合, 単に先頭セクタを実行させるだけでは起動できないようで, その手のブートプログラム (Linuxのブートローダー等) では起動させる事ができませんでした. ということで, 結局はブートマネージャ用ということで基本パーティションを用意する羽目になるので, ご注意を.

また, ハイバネーション機能の関係で, 基本パーティションにFATのパーティションが必要なようなので, 確保しておきます. これはハイバネーション専用の領域というわけではないので, DOSやWindowsをインストールしておいても大丈夫です.


OS/2本体のインストール

基本部分のインストール

パーティションを切り直してしまえば, 後は画面の指示通りに進めるだけです. コンビニパックなら, PCMCIAサポート, UltraBay装置スワップ の各項目については「ThinkPad T23」の選択肢があるし, ビデオドライバも「S3 Savage」の選択肢があるのでそれを選んで大丈夫のはずです.
私はビデオドライバの選択に自信がなかったので, 「VGA」でインストールして Device Driver Pak On-line日本語版の T23ドライバセットのものを入れましたが, 後から確認したら表示バージョンは同じでした.
ただ, サウンドドライバはT23ドライバセットのものと同じ選択肢が見当たらなかったので, ここでは「なし」を選んでおいて, 後でT23ドライバセットのものを入れた方が良いでしょう. なお, 最初のページの「マルチメディア」を「なし」にしても, 「マルチメディアのソフトウェアサポート」はインストールしておきましょう.

ネットワーク機能のインストール

ネットワークアダプタのドライバは, ThinkPad関連ダウンロードのページのものを使います. これと同名のものがコンビニパックやT23ドライバセットにもありますが, サスペンドからの復帰時にフリーズしたり, 認識自体できなかったりするので, 使えません. ここではとりあえず「NULLドライバ」とかを選んでおけばいいでしょう. もちろん事前にドライバを用意できているのであれば, そのドライバを指定してインストールを続けて構わないはずです.


ドライバのインストール

どれをインストールすればいいか分かっていれば難しいことはありませんが, それぞれ説明します.

ディスプレイドライバ

Device Driver Pak On-line日本語版の, ThinkPad T23シリーズ用のドライバセットのものが使えます. この中に入っている「1ad408jp.dsk」をフロッピィに書き出して, その中の「readme.txt」ファイルにしたがって使用します. 具体的には, このフロッピィの「setup.cmd」を実行するだけです. あらかじめフロッピィの内容をHDD上にコピーして, そちらを実行すると処理が速くていいでしょう.
途中「上書きしていいですか?」というような確認がありますが, 上書きしてしまって構いません. セットアップ選択ウィンドウでは「アダプターのデフォルト設定を使う」を選びましょう.

ちなみに, 画面の解像度や色数は「システム」オブジェクトの「画面」ページで設定するのですが, このページの「表示能力」というボタンを押すと出てくるウィンドウで, フォントの大きさ (実際には画面の細かさ) を設定できます. OS/2では, 1024*768以上の解像度ではアイコンのサイズは40*40になるんですが, このウィンドウで「小さいフォント」を選ぶと32*32のサイズになります. アイコンのサイズとしてこのサイズを想定しているソフトが多いので, この設定をしておくといいでしょう.

サウンドドライバ

同じくThinkPad T23シリーズ用のドライバセットのものを使います. この中に入っている「1aa704wj.exe」を実行するとインストール用のファイルが展開されるので, その中の「install.cmd」を実行します. 後は画面にしたがって進めてください.

LANドライバ

最初にも書きましたが, ThinkPad関連ダウンロードのページのものを使って下さい. これ以外のものは何かしら問題があって使えません. インテルのサイトから取ってきたドライバもダメでした.
このファイルはWindows (Win32) の自己解凍ファイルなので, どうにかして解凍しておいて下さい. 実際に必要なのは「OS2」ディレクトリの中身だけなので, 別のPCで解凍してフロッピィで持ってくる, というのも比較的楽にできるでしょう.
ファイルの用意ができたら, 「MPTSネットワーク・アダプターおよびプロトコル・サービス」オブジェクトで, LANアダプタの構築を行います. まず, ネットワークアダプタの選択で「他のアダプタ」を選び, 用意したファイルを選択します. その後, 使用するプロトコル (ファイル共有を使わないならTCP/IPだけでいいでしょう) を選んで設定終了, インストールします.

トラックポイントドライバ

標準のマウスドライバでも使えますが, トラックポイントドライバを入れればスクロール機能を利用する事ができます. ただ, マウスボタン3として使いたい, ということであれば標準のままでいいでしょう.
コンビニパック2であればCD-ROMにドライバがありますので, それを使ってもいいのですが, Device Driver Pak On-Line (英語版) で新しいドライバが出ているので, そちらについて説明します.
この自己解凍ファイル「SMouseJP.exe」を実行するとインストール用のファイルが展開されます. この中の「smouse.exe」を実行するとインストールされるのですが, ファイルのコピーがうまくいかない事があります. そのときは手動でコピーしましょう. 私のところではHLPファイルとEXEファイルがコピーできなかったので, それぞれ「\os2\help」と「\os2」にコピーしました.

ハイバネーションユーティリティ

ThinkPad関連ダウンロードのページにある自己解凍ファイルを実行した後, 「KXH101.BAT」を実行するとフロッピィにユーティリティプログラムが書き出されます (LOADDSKF.EXEを使用して「KXH101WW.DSK」をフロッピィに落としても構いませんが) . このフロッピィでPCを起動し, ハイバネーションを設定します.

ユーティリティの注意書きには「ブートマネージャがあるとダメ」「HPFS/NTFSシステムはダメ」とありますが, 私のところでは, ブートマネージャも入ってるし, OS/2はHPFSのパーティションに入れてますが, ちゃんと動作しています. たぶん, 「ユーティリティのフロッピィで起動した時に, Cドライブとして認識できるパーティション (=FAT16/32の基本パーティション) があればOK」なのではないかと思います. このユーティリティのファイル回りはWin98と同等に見えるので.


使用時の注意

サスペンド/ハイバネーション

サスペンドやハイバネーションからの復帰時, WarpCenter等の時計表示が動き出すまで, トラックポイントには触れてはいけません. 触れてしまうとトラップ (Trap E) する危険があります. 原因はよくわからないので, APMやトラックポイントの新しいドライバを入れれば直るかも知れません.

また, 復帰させた後, 画面の一番上の1ドット分が乱れたり, 表示されていたアイコンがおかしくなってしまうことが何度かありました. デスクトップを「最新表示」させると元に戻るので特に気にしてはいないのですが, 少し不安も残るところです.

ちなみに, ハイバネーション実行時の処理状況画面が, 最初のうちはThinkPadのロゴ入りの画像が表示されるのですが, 何度かやっているうちにVGAのテキスト表示での画面になってしまっています. なぜなのかは分かりませんが, 今のところ実害はないです.



このページの作者は αρκ <ark@dan.wind.ne.jp> です