1060年7月4日

最初に……アーの神よ、私は、罪深き祭司です。
人々を守る為とはいえ、神に仕える身でありながら、魔神に従い、彼の神聖騎士団を騙してしまったのです。
幸い、聖痕者の皆様のお力で闇は振り払われ、結果、被害は最小限に食い止められたと信じています。
しかし、私が嘘偽りを申した事に、変わりはありません。
この日記にて告白し、懺悔致します。

このルージュハイムは、きっとあの禍々しい祭壇が支配していたのだと思う。
この町で再会し、少し逞しくなったメイ君、私を祭壇の攻撃から何度も救って頂いた老騎士バルカスさん。
それから、陛下の騎士であるガーディウス様と、共に戦わせて頂いた。彼のあの雰囲気、私と同じオクタール族なのかな。
そして神聖騎士団のご協力あって、祭壇はその力を失い、町は再生することが出来た。
でも……そのために私が払った代償は、私自身にとって屈辱的で悲しいものだった。
寄りによって、聖職者である私が、魔神であるオクルスに接吻を許してしまった。
日記に書くのも憚られる事……でも私は記しておく。この事実を、この屈辱を、忘れないために。
ルージュハイムの人々が救われるのなら、この程度の犠牲など些細なもの……そう思う。
心だけは、闇に囚われぬ様に。