怜は自室で大学へ提出する願書を作成していた。
「怜さーん」
するとリビングでレビが呼んだ。
「?」
怜は机を離れリビングへ。
「大沢 雌留さんと言う方から」
怜はレビから受話器を受け取ると。
「もしもし」
{よう、怜。とうとう彼女ができたか。姉は感激したぞ}
「だから、どうした」
うんざりした態度で話す怜。
{姉に向かってそんな態度か?}
「雌留姉こそ」
{一つ聞いていいか。怜?}
「何?」
{親父達の墓参りは行った?}
「無論。雅人はちょっと遠くにいるから代わりに」
{死んだのか?!}
「生きてます」
怒った口調で言う怜。
{ジョーダンだよ、ジョーダン。マイケル・ジョーダンてな}
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
{う、うん}
雌留は咳払いをすると。
{お祖父ちゃんがな。そろそろ、嫁連れて来いって}
「・・・・・・ジジィめ」
{・・・・・・・・・・・・・・アンタさ}
「?」
{相変わらずお祖父ちゃんを”ジジィ”って呼んでるわね}
「ああ」
{じゃ、そう言うことだから、彼女なり嫁さんなり連れてこい。アタシが腕によりを
かけて作るから}
「雌留姉の手料理だけは遠慮しとく」
怜は言えなかった。”雌留姉の手料理はある意味、世界最高だ”と。
翌日
「お前のジィさんの所へは行くのはいい。でも、何でオレ達も何だ!!」
怜、レビ、エリス、フィーナ、そして玲次の4人だった。しかも、私服。
「いろいろな事情」
怜は祖父の家の扉を開けた。
「お帰り、怜さん」
出迎えたのは怜の従兄の大沢 伸司
「久しぶり・・・」
「うんうん。久しぶりだね。秋葉ちゃんもげ――――――」
「オレの従兄の大沢 伸司だ。あんまり付き合うな」
伸司の会話を無視して怜は紹介した。
「怜さんたら、酷い。ボクとのは遊びだったのね」
「朱雀拳!!」
怜は朱雀拳と言う技を放った。
「ぐはっ」
伸司は見事に吹き飛ばされた。
「怜さんたら、もう上級技を会得したんだ」
怜達はいなかった。
怜は襖を開けた。
「おお。お帰り、怜」
髪の薄い老人が迎えた
「ああ、ただいま。ジジィ」
怜は怒っていた。
「そう怒ることもあるまい」
「ある。ったく」
怜は祖母達の仏壇に軽い会釈をした。
「ほほぅ怜の彼女か。それとも」
隣には茶髪に染めた雌留がいた。近くには無造作になっている赤いコートが脱ぎ捨て
られていた。
「はいはい。レビ、エリス、フィーナ、玲次、紹介する。オレの姉の雌留姉とジジィ
の――」
「大沢 獣也じゃ」
「大沢 雌留だ」
「レビ・ハスティンスです」
「エリス・カテドリーだ」
「ふぃ、フィーナ・エルシオンです」
「鹿沼 玲次です」
怜達は席に着いてコタツに足を突っ込んだ。
「さて、怜」
「ん?」
「お前さんも――」
「ちょっと待てジジィ。彼女とか嫁の話だったら」
「そんなモンじゃない。ほれ」
獣也は古い書物をテーブルの上に出した。
「何だ? これ?」
怜は書物を眺めた。そして雌留は両手で口を押さえ笑った。
「先祖代々に伝わる書物じゃ」
「古って、まさか!!・・・」
「そのまさかじゃ」
獣也は皮肉一杯に笑った。
「ノートでいいか?」
「何でもかまわんよ」
「怜。どういう意味だ?」
「ジジィは嫁とかの話はフェイクで書物を別の本に書き写せってこった」
「フォフォフォフォ。さすがは我が孫」
「雷王凱斬!!」
玲次はコタツから出て手刀で雷王凱斬(我流)を放った。
「水龍白炎神!!」
怜も玲次に倣ってコタツから出ると水龍白炎神(先祖代々伝わる書物を読んで覚え
た)を放った。
「一般人に技を向けるとは」
獣也は軽々と回避していた。
「それ以前の問題だ!!」
玲次は怒鳴った。雌留は腹を抱えて大笑いをしていた。
「ったく、来て損した。フィーナ、行くぞ」
「は、はい」
「行こう。レビ、エリス」
「はい」
「おうよ」
怜達は退室した。
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あとがき
・・・・・とりあえず、こんな番外編です。疲れましたー。
大沢 伸司の性格はフ〇〇の〇〇みたいな感じになりました。
最後にこんなSSですみませんm(_ _)m
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