東武鉄道前橋線

略歴

区間 前橋〜渋川
運行開始 明治23年
廃止 昭和28年

東武鉄道前橋線

 東武鉄道前橋線は、当初馬車鉄道として開業しました。この馬車鉄道時代を説明する記念碑が、前橋市の国道17号線と国道50号線の交差付近の前橋公証人役場前に建っています。この碑によれば、渋川市まで急行で40分を要したとかかれています。この碑をみるだけでも、開業当時のこの鉄道の雰囲気を垣間見ることができ、一見の価値ありという感じです。

 さすがに明治23年当時の話を地元の人から聞くことはできませんでしたが、ここをモダンな馬車鉄道が走っていたことを想像すると、楽しくなってきます。

 馬車鉄道時代の開業当時の始発点は岩神村(現在の前橋市岩神町)でしたが、その後前橋駅前まで延長されました。同鉄道はほとんどが路面軌道で、現在の国道17号線上を通っていた区間が多かったようです。

 これは、琴平町停車場跡(現在の前橋市住吉町)付近の写真です。戦後復興で国道が拡張され、当時の姿をうかがいしることはできませんが、鉄道跡らしい、ゆるい左カーブを描いています。

 東武鉄道前橋線が廃止になったのは、モータリゼーションによる乗客の減少と、自動車の交通量増加によって路面電車である同鉄道が「邪魔物扱い」されてしまったためです。

 左の写真は、前橋市と北橘村の境界付近です切り立ったがけのそばを路線跡が通っています。崖にそって右に、左にカーブしている姿を見ると、当時の姿が思い浮かぶようです。路面電車の跡を満喫できる場所ではないでしょうか。

 崖ぞいの路線跡をさらに渋川方面に進むと、国道17号線と合流します。これが合流付近の写真です。前橋方面に向かって右が国道17号線、左が旧路線跡です。りっぱに整備された国道にくらべて、地元の生活道路となっているこの区間は、廃線ムードいっぱいです。今にもむこうから、路面電車が「チンチン」と音をたててやってきそうな雰囲気です。

 さらに渋川方面に進むと大きな左カーブを描いて、渋川市と北橘村をわける利根川を渡ります。ここには板東橋という橋がかかっています。現在の橋は鉄道廃止後、架け替えられたものですが、その北側に当時の橋の橋台が残っています。レンガと石を積んでつくられたこの橋台は上部には飾りも施されていて、大変りっぱなものです。架け替え後放置され、あれ放題という感じですが、その歴史的な意味、文化的な意味からしても、なんとかきれいな状態で保存してほしいものです。

 ちなみに前橋市では、この鉄道の見直しということではないですが、市内を循環するLRT(Light Rail Transit 低床式路面電車)を計画しています。鉄道の復権のためにも、なんとか実現してほしいものです。