吉永コラム(第1回)

『売上高総利益率』
私は当渋川ベンチャー支援センターでは事業計画立案、マーケティング、販路拡大などの相談に対応しています。 創業予定者からの相談は事業の可能性などの相談もありますが、多いのは創業に当たっての事業資金の借入れについての相談が多数を占めています。事業資金の借り入れに当っては国民生活金融公庫への申し込みが主です。その手続きの最初が開業計画書の立案です。内容は開業目的、事業の経験の度合、取扱商品・サービス、事業のセールスポイント、仕入先、販売先、必要な資金(設備資金、運転資金)などですがとりわけ重要なのが開業後の見通しです。自己資金や借入金を注ぎ込んで開業に至っても事業が継続し成長していかなくては開業の意味がありません。逆に莫大な負債を背負うことになります。
一般的に事業の成功する要因として挙げられているのは、
経営者自身のリーダーシップ
戦略的事業計画
好ましい組織体制
といった3要素です。
創業にあたってもこのことを肝に銘じて事業に邁進して頂きたいと思います。
ところで、創業に当っては開業後の見通しが重要であると述べましたがそれは現在事業を営んでおられる経営者の方にも当てはまることです。経営にとって環境変化は常在であり、環境変化をおりこんだ経営計画は必要不可欠です。そのために、上記3要素の1つである戦略的事業計画に基づいた経営を行っていくことが大変重要となります。
開業後の見通し、事業計画の基になる重要な経営指標の一つが「売上高総利益率]です。売上高総利益から事業経営に必要な人件費、販売費、一般管理費を賄い、投資した資本に見合う適切な利益を確保し、かつ、将来を見据えた投資を可能にすることが求められます。薄利多売では必要な総利益額を確保することはなかなか困難です。「利は元にあり」の考えで、いかに低コストで優れた商品を仕入れることが出来るか、いかに効率よく、ムダなく商品を製造するかを、しっかりと検討しなければなりません。仕入先についても、同じ商品、同じ部品・材料であれば1社のみに限定することなく、3社見積もりを取るなどの工夫が大事です。
平成16年決算期の中小企業の財務指標(中小企業庁編)によりますと主な業種の売上高総利益率は以下のようになっています。
| 業 種 |
売上高総利益率(%) |
業 種 |
売上高総利益率(%) |
業 種 |
売上高総利益率(%) |
| 設備工事業 |
34.3 |
道路貨物運送業 |
38.9 |
家具什器等小売業 |
35.2 |
| 食料品製造業 |
34.1 |
繊維・衣服等卸売業 |
27.6 |
一般飲食店 |
64.7 |
| 家具装備品製造業 |
33.3 |
飲食料品卸売業 |
19.8 |
旅館その他宿泊所 |
78.9 |
| 出版印刷関連産業 |
45.4 |
建築材料等卸売業 |
20.8 |
自動車整備業 |
44.3 |
| プラスチック製品製造業 |
29.9 |
各種商品小売業 |
30.1 |
広告業 |
43.9 |
| 金属製品製造業 |
35.6 |
繊維衣服等小売業 |
41.5 |
情報サービス等 |
61.9 |
| 一般機械器具製造業 |
33.3 |
飲食料品小売業 |
32.2 |
廃棄物処理業 |
65.8 |
対象となる業種で上記の指標や入手できた同業事業社の指標より売上高総利益率が低ければ自社のビジネスモデルのどこかにムダ、ムリ、ムラがないか、事業別、商品別の精査が必要です。また、標準指標を確保していても更なる飛躍を図るためには絶え間ない改善が求められます。
今回は中小企業の財務指標から「売上高総利益率」を紹介いたしました。これから経営に重要な財務指標を紹介していきます。業種は妥当と思われる中分類から21業種抽出しました。希望の業種がありましたらご連絡ください。
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